勉 強 法 の 真 実


勉強法について、学年別に発達段階を追いながら、真実であると信じている持論を書きます。

 

中学生の勉強法

中1から中2の前半は試行錯誤の時期です。
1年生のうちはまだ、中学勉強がどのようなものか、だれも知りません。
ふつう、中1の前期のテストは比較的易しく、危機感を持つ子は多くいません。
しかし、中1の後期から差が出始めます。
英語はbe動詞と一般動詞が入り混じり、数学は方程式の文章題と比例・反比例で嫌になる子がいます。
これらを乗り越えれば中2前期までは安心ですが、乗り越えられないとあらゆるリスクが付きまといます。
中2で同じようなことを焼き増しするからです。
中1ができれば中2もできるし、中1ができなければ中2でもできないのです。
中2からできるようにするにはやはり努力が必要です。
中1の終わりから先、1年間苦しむのは嫌ですよね?
なるべく早く中学生としての勉強方法に慣れ、小学校でできた子も中学では努力しなければつまづくことを知り、できれば中1のうちに、できなければ中2の間にいろいろな勉強方法を試し、「これくらいやれば、これくらいの点が取れる」を知ってください。
ノートの取り方や復習方法、テスト前の勉強方法、勉強にかかる時間、テキストの進め方など、勉強の知識よりもこれらを知ることが先なのです。
知識は後からでも覚えられますから。
なお、中2の成績にはあまり神経質にならないでください。
確かに入試には中2の成績が入りますが、比率はわずかですし、最近は入試本番(学力検査)がより重視されています。
私立では中3の成績だけを見る学校が大多数です。
成績そのものより、先々伸びるために勉強法を優先してください。

さて、中2も後半になると、反抗期も小康状態になることが多く、入試を意識することも増え、部活から3年生はいなくなり、ぐっと大人になってくるものです。
親御さんはお子さんを大人だと思って接し(まだまだ子供なのですが・・・)てください。
もしあなたが中2なら、親に対しては大人として話してください。
キレないで、冷静にね。
親がキレたら、冷たい視線を浴びせながらすぅっと逃げましょう。
あ、成績は中2後期はまず上がりません。
維持するのが精一杯です。
ただし前期で1や2の科目は3にはなる可能性があるので、1と2の科目は努力しましょう。
3以上の科目は成績が下がりやすいので、前回と同じ点数を取れるように、そしてそのために前回より多めに努力しましょう。
この時期に必要なのは何か。
それはずばり、中3を見据えることです。
県入試では、中3は成績が2倍です。
同じ努力をするなら、2倍稼げたほうがいいですよね? 
成績を上げることが難しい後期に力を注ぐより、いち早く中3の内容を知り、それに必要なことを意識することです。
たとえば、英語は自力で教科書暗記ができるようになること。
中3ではとくに後半から文法が難しくなるし、英検3級は取ったほうがいいので、教科書暗記は短時間で済ませたい。
そのために新出単語調べ、発音の確認、ノート作り・・・とやるべき勉強法を確立することです。
初めてすぐは拙くても、中3の前期で大輪の花を咲かせましょう。2倍ですから。
この時期に自力で勉強方法がつかめない場合、短期間でも塾に入ったほうがいいかもしれません。
また、まったく勉強しない場合は、「勉強しなさい」ではなく、「勉強したくないの?」と聞いてみてください。
そこで「うん」と言われた場合の理想的な対処法は、「あんたの好きにしていいよ」です。
この時期から無理やり勉強させても無駄です。
もうかなり大人になっていますから。
でも、ほんとう〜に勉強しないつもりなのでしょうか? 
応えはノーです。中2の後半になれば、自分の置かれている状況くらいわかっています。
そして勉強しなくちゃ高校に行けないことくらい、ちゃーんとわかっているのです。
それなのに「勉強したくない」という子の気持ちを推し量ってあげてください。
「どうせやってもできないから」そんなふうに考えているとは思えませんか? 
つまり、勉強法がわからないのです。
今まで勉強してみたけど、その方法では効果がなかったのです。
それなのに「このままじゃ高校に行けないよ」「いいから勉強しなさい」「お願いだから高校へ行って」では、逆効果にしかなりません。
一説によると、思春期の子を持つ親は、子供の独立を促すためわざわざ嫌われるような言動をするようです。
それならいっそのこと精神的には独立させてやればいい。
「好きにしていいよ」は、勉強するのも高校へ行くのも失敗するのも全部あなたの責任だよ、と言っていることです。
つまり、大人扱いをしているのです。
子供にとってそれは効くでしょう。
べつに中卒だって立派に暮らしてる人はたくさんいますからね。
自分の子が中卒ではいやだ、と言うのは親のエゴですし、中卒の人に大変失礼です。
いったん突き放し、「塾とかに行きたくなったら相談しなさい」とか「勉強する気になったら相談に乗るからね」と言ってあげてください。
たいてい、「やっぱり高校に行きたい。けど、どうやって勉強すればいいかわかんないんだよ」と言ってくるでしょう。
その日を待ちましょう。

さて、中3になりました。
中3は大人です。
親の一方的な押し付けは一切無駄。
多くのご家庭で、話し合いは“取引”になります。
「最終的には私立でも仕方ないけど、公立に合格した上で私立に行きなさい」とか、「公立の志望校は決めていいけど、私立は親が決める」とかです。
子供は親以上に学校などで情報収集をしているし、自分の力を知っているし、親が思っている以上に高校生活を想像しています。
志望校は、最終的には子供が決めるのです。
それが自主性・自立ですし、言ったことの責任は自分でとることになります。
高校受験はいい試練です。
志望校に合格すれば自信が手に入りますし、不合格でも、世の中すべては自己責任であることを覚えられます。
それなのに、もし親御さんが受験校を決めて、落ちたらどうなるでしょうか? 
入学して嫌になってしまったらどうなるのでしょうか? 
「おまえのせいでこんなことになったんだ」と怨まれますよね? 
せっかくの自立・社会勉強の機会を逃してしてしまいます。

ところで勉強面ですが、中3の前期は、まともな塾に行き、言われたとおり勉強すれば伸びます。
とくに今まで勉強しなかった子は、必ず伸びます。
なぜなら、たとえば数学は中1・中2の内容を大きく離れて独立した内容に入り、しかも難しくないからです。
英語も文法的には中2後期より易しく、教科書暗記の効果が出やすい時期です。
理科も独立単元、社会は新しい科目、国語も詩や俳句なので鑑賞や技法を暗記するのが中心なので点が取りやすいのです。
つまり中3前期は、積み重ねがあまり影響しない時期なのです! 
中1・中2で振るわなかった子も逆転が狙えます。
しかも成績は2倍、ニバイ!(朝潮風。古いですね。)
ただ、塾の宿題は必ずやってください。
それが伸びるための最低条件です。
私立高校を専願・推薦で狙っている場合には、定期試験には入試と同じ気迫とエネルギーを使いましょう。
人よりも半年早く受験が来た、と思ってください。

一方後期になると、各科目とも内容が強烈に難しくなります。
中2と同様、成績は維持するのが精一杯です。
だから前期に何が何でも成功したいのです。
もちろん1や2の子は3までは努力しだいで上がります。
もし中3前期で失敗した場合、あるいは内申が足りないと感じたときは、夏休みから高校入試本番(県入試では学力検査)に意識をシフトしましょう。
最近はとくに学力検査が重視され、高得点をとれば内申に関係なく合格できる高校が非常に増えています。
一般的に言えば、市立・専門学科・単位制は内申重視、県立普通科は学力検査重視です。
しかも前期(推薦)入試の募集人数はどんどん減り、よほど内申が高いか、部活などでよほどの成績を修めていなければ苦しいところも少なくありません。
前期で入りたい、とはみんな思うのですが、たとえ前期狙いでも学力検査対策は怠らないようにしましょう。
前期は本当に水物です。
また、将来のことを考えれば、後期を受験するのはとてもいい経験になります。
厳しい経験をしたものが、より強くなるのは当然のことですから。
中3の12月からは、いよいよ本格的な受験体制に入ります。私立専願・推薦以外の子は、初めての試練に身震いするほどです。
受験までの2ヶ月の間に、子供は悩み、時には泣きながら、恐ろしく成長します。
そう、成長の大きなチャンスなのです。
努力して、チャレンジして得た結果は、たとえ失敗に終わっても大きな経験となってその子のその後の人生を支えるでしょう。
代ゼミの元ヤンキー有名古文講師は、「俺は中3のとき、偏差値が20上がった。それだけを自信に大学受験を決意した。」と著書で述べています。
安全も否定しませんが、”入れる”高校を探すより、”入りたい”高校に全力で立ち向かってほしいと思います。
社会に出る前に失敗を知るのも悪くないし、成功すれば凄い自信になります。
高校受験は子供の自立のチャンスなのです。

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