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試験時間が不足する
よく、時間だけを縮めようとして速読法をマスターしようとする人がいますが、これは試験まで日がない場合を除き、絶対におすすめしません。
百害あって一利なしです。
巷にあふれる速読法は主に大学生・社会人用であり、大学受験には向きません。
絶対に正しい方法は、“時間無制限であれば目標点が取れる”状態にして、それから“得点力を落とさずに少しずつ時間短縮をする”ことです。
難関私大は昔から長文主体の傾向にありましたが、最近では特に長文が長くなりました。
なので逆説的ですが、センターや長文以外の問題が出る大学では、長文以外の問題を早く解けるように訓練すべきです。
より多くの時間を長文に割けるようにしましょう。
しかし、それでも時間が足りない場合や、長文ばっかりの大学ではどうするか。
やはり長文を早く読める、問いを早く解けるようにしなければなりませんね。
実際、早慶レベルに英語を武器として合格したい場合、英文を読みながら頭の中でいちいち日本語にしているようでは、時間が不足してしまうんです。
「長文が読めない」でも書きましたが、時間不足を解消する最も有効な手段は、”直読直解”です。
英語を読んでいても日本語訳が浮かばず、でも意味は理解できているという状態。
つまりネイティブと同じ頭の構造になっていること、いわば究極の状態が最終目標です。
こんなことが短期間でできるはずないですよね?
その究極の方法ですが、活路は“精読”と“復習”にあります。
“究極”って言う割には当たり前?の方法ですが、当たり前のことって案外できないから大変なんですよ。
さて、“精読”は、しっかりした講師の元で、またはしっかりした解説書の元で、なぜその英文がそういう意味にしかならないか(そういう意味になる、ではなく、そういう意味にしかならない、です)を、人に説明できるレベルで理解することです。
そして“復習”は、そのように“精読”したものを、“直読直解で日本語訳を思い出さなくても意味がわかる”“直読直解で頭に意味や場面が瞬時に浮かぶ”まで“音読”することです。
この訓練を毎日毎日繰り返すことによって、数ヵ月後、初めて読む長文でもこれができるようになるのです。
もっとも、長文でも「空所補充」には文法的なアプローチで早く解けることがありますし、会話文を早く解くにはフレーズを覚えたり会話分独特のルールを知ることで早くなったりします。
そういった部分を訓練し、長文読解により多くの時間を割くことは大切です。
しかし、難しい英文は難しいのです。
センターレベルなら早くも読めるでしょうが、和訳や要約が課せられている難解な英文まで早く読もうとする必要はありません。
むしろじっくり英文の構造をつかまなければならない場合もあるでしょう。
つまり受験する大学の英文のレベルと自分の実力に応じて作戦を立てるべきです。
英文はじっくり読むけど問いは早く解けるとか、内容一致を先にやって全体の内容を知ってから細かい問いを解くとか。
受験する大学の過去問を研究してから、速読が必要かどうかを判断してください。
くれぐれも、怪しげな速読法を信じないように。
そんな楽な方法があれば、みんなみんな、予備校も文科省も実践しているはずですから。
ちなみに伊藤和夫の方法は、駿台予備校により、また、伊藤和夫の元生徒たちによって、数々の教室で実践されています。
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